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「アンデルセン童話集」 ハリー・クラーク 絵  荒俣宏 訳 文春文庫 - 2012.07.14 Sat



上巻と下巻合わせて24篇のおはなしが集められています。
アンデルセンは1805年、北欧デンマーク生まれ。

子供の頃、「おやゆび姫」や「人魚姫」、
「マッチ売りの少女」、「皇帝の新しい服(はだかの王様)」など
読んだのですが、200年以上前に生まれ、
デンマークの方だったとは、たった今知った次第です。
この文庫に魅かれたのは挿絵。
1889年生まれのハリー・クラークは
アイルランド・ダブリン生まれ。
ステンドグラス等を制作する工房に生まれ、
家業のかたわらに挿絵を描いていたそうです。
1916年に、この『アンデルセン童話集』が
彼の挿絵画家としてのデビュー作だそうです。

文中の挿絵はカラーではないのですが
1ページを使っているので充分に美しさは解ります。
表紙の絵はカラーで鮮やかで神秘的な色の輝き。
クラークはステンドグラスの輝きをそのまま挿絵にもちこんだ。
ステンドグラスは透過光といって後方からさしてくる光を透かして観るアート。
しかし挿絵は反射光、光を当てて観るアートである。
これらまったく違うアートをひとつにし、
神秘的なステンドグラスの光を描きだしたところが、クラークの功績であるらしい。

下巻の中の一篇「人魚姫」を読んでみた。
子供への「教育的配慮」によって消されがちな、
童話に秘められた美と残酷さを読むことが出来ます。
情景描写も細かく、会話も辛辣なことをさらりと言っています。
神秘的であり切なく大人のための挿絵入り童話。
読んでいて私の頭の中で人魚姫の美しさが想像され描かれたのですが
ページをめくり現れたクラークの人魚姫と海の魔女の挿絵。
死の恐怖、エロティシズム、耽美、それらが私の前に現れた。
挿絵の中に「人魚姫」の全てが語られていると思えるほど。

翻訳した荒俣宏氏は、アンデルセン研究家としても知られているそうです。
元来のアンデルセン童話は、けっして「児童文学」ではなく、
子供のままで大人の心を知る「成人文学」なのである。
と解説されています。






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