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「郊外へ」 堀江敏幸著  白水Uブックス - 2012.06.25 Mon



パリ郊外の路地の空気の中を歩きながら想い出す。
雑誌「ふらんす」に1年間連載されていた作品の数々です。

路地裏に迷い込む散歩が好きです。
一度も歩いたことのない場所。
地図を持たずに目的地も考えずに。
それは新しい発見をするというよりも
過去に見た懐かしい場所、過去に感じた想いなどに
出会うことであるように思います。
もしくは自分が夢想して
すでに何度も歩いているところのような。

この物語の中でも「私」はパリの郊外を歩きます。
気持ちが納得のいくことばにできない。
そんな思いを過去に読んだ詩や小説などを
想い出しその詩人や作家に寄り添いながら。

散歩の途中、雨が降り出し雨宿りのできそうなカフェが
見当たらず歩き回り雨にたたかれた舗道の下から、
眠れない街の息づかいが漏れ聞こえていたことを思う。
例えばモンルージュの街。
詩人ジャック・レダの『壁の外』を手したときの、
自分ではなかなかことばにできずにいたその感覚を
みごとに代弁してもらったとの思いからくる感謝。

「こちらで、どんなふうに驚かそうと
策を練っても、モンルージュは眠り
さえしていない。穏やかな不眠を生きているのだ
夢見ることもできず、夢など相手にもしない、そんな魂の不眠を。」

レダのモンルージュをめぐる詩篇の中を漂いながら、
『壁の外』が伝えている郊外の雰囲気に寄り添う。
その詩集は空をめぐる詩集と呼んでも差し支えないほどであり
ひたすら歩く者の視野には、人間ではなく、
まずこの空が広がっているのである。と。
レダの作品を通してモンルージュ暮らしの一端が綴られていく。

「空のゆるやかな接近」というタイトルの作品です。

全部で13編の物語が綴られています。
物語に登場する「私」の語りに耳を傾けながら、
ドワノ―やモディアノ、ペレック、モローなど
郊外を愛した写真家や作家、画家に寄り添い、
空を感じながら散歩する時間を過ごせます。


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