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「消費社会の神話と構造 普及版」 - 2012.03.10 Sat

この本を読むと節約できるようになり、健康になる秘訣がわかり、ビジネスに関することもバッチリ、恋愛テクニックまでも?の万能自己啓発本としても読めました。
フランスの現代思想家ジャン・ボードリヤールが1970年に41歳のときに刊行した本です。
本書の最大の特徴は、マルクス、フロイト、ソシュールの理論的装置を再利用しながら、
われわれの日常的現実を記号論的視点から解釈しなおしたことにあるということですが、
それらの著者の本を読んだことがない私にも挫折せずに
最後のページまで読み進められるように書かれているので
ボードリヤール氏すごいと思いました。

自動車や洗濯機から緑の自然や健康な身体、娯楽、マス・メディア、
ショッピング・センター、ダイエット、余暇の時間など
社会内の森羅万象が取り上げられていて、
あらゆる財とサービスが消費「対象=モノ」(オブジェ)として人々の前に立ちあらわれ
社会的権威や幸福感といった他人との差異を示す記号=モノとして現れます。
世界経済の仕組みや経済に関する数字などではなく
自分の日常に関わる身近な事柄なので興味深く読めます。


「今日では純粋に消費されるもの、つまり一定の目的のためだけに
購入され、所有され、利用されるものはひとつもない。
あなたのまわりにあるモノは何かの役に立つというよりも、まずあなたに奉仕するのである。
個性化された「あなた」という直接の対象がなければ、
そして個人的給付という包括的なイデオロギーがなければ、
消費は文字通り消費でしかないだろう。消費に現在のような深い意味を与えているのは、
心づけとそれに意味を与える個人的慰めの温かさであって、純粋かつ単純な充足ではない。
この気づかいという太陽の光を浴びて、現代の消費者たちの肌はこんがりと日焼けしている。」

モノはキャッチ・フレーズから案内嬢の笑顔や自動販売機の発するお礼の言葉、
わたしたちは驚くべきサービス精神に取り巻かれ、
献身と善意の連合軍に包囲されているとあります。
私がコンビニでペットボトルのお茶一本を何気なく買うときにも、
無意識のうちにそのモノに付随する広告、いっしょに陳列されている商品との関連性、
広告に使われている人物などありとあらゆるモノも一緒に買っているのですね。
と思いました。のどの渇きを満たすだけではなく。

その他にも記述として、生産されるモノはその使用価値や持続性のために
生産されるのではなくて、反対に価格のインフレ的上昇と同じ程度のスピードで早められる
モノの死滅のために生産される。モノを流行としての価値や急テンポの更新
に従わせることにより、モノの価値=時間を奪い取るとありました。
今日の社会では、無駄な消費が日常的業務、間接税のようなあまり意識されない
押しつけられたひとつの制度となり、経済秩序の拘束に組み込まれているのであると。
そこのところを全く意識せずに普段モノを消費している私は
ムダ使いが他の人より多いかもしれません。

現代人の疲労についても書かれてあり、努力の放棄、緊張の解消、
便利で自動化された生活などへ向かって絶えず進歩しているはずのこの社会は、
欲求の充足を総決算してみるとプラス面よりマイナス面の方が大きくなってゆく社会であり、
ストレスと緊張とドーピング〔興奮剤〕に満ちた社会なのだとあります。

消費社会は「渇望」と「欲求とその充足」を組み合わせているつもりになっているが、
そうではなくて、競争と社会的上昇の強制および個人的快楽の最大化という
内面化されるであろう至上命令との葛藤に悩み
そこに社会的ひずみが重なり、社会は敵対関係に満ちた居心地の悪い社会となり、
疲労はこのような生存条件に対し、受動的拒否の形をとった反応らしいのです。

そのような消費社会に生きる事を拒否して、
自給自足の生活、山にこもって仙人になっても
私の心は消費社会のあらゆる思想を含むモノに囲まれこんがり色なので
エコや自給自足の生活スタイルとしての事柄も消費対象として記号化
されている現代人としては欲求は充足されることもなく、
疲労も癒されないのだろうなぁと思いました。

今まで消費していてぼんやりと思っていた事柄が
目からウロコが落ちるようにわかる事もあり
予備知識もなく読んだので難解な部分もありましたが
とても面白く読めました。
帯のところに我々消費人間にとって必読の書である。
の1文があり、そうかもと思いました。





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