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「俳風三麗花」 三田完著 文春文庫 - 2012.03.29 Thu

昭和7年の古き良き東京の佇まいと、臨場感ある句会の描写の中で登場人物が詠む俳句そして句会に訪れる3人の若い女性のそれぞれの恋の悩みが相まって味わい深い小説です。昭和の初めらしい会話の言葉も美しいです。
物語の中心となる場所は日暮里にある秋野暮愁が主催する暮愁庵句会です。
そこで出会った3人の20代の女性、
大学教授の父を亡くし日本橋の自宅に母と2人で住む令嬢ちゑ、
両親を亡くし淀橋区柏木の叔母の家に住む女医生の壽子、
浅草芸者の松太郎、その3人が恋の悩みを通して大人の女性として成長していきます。

5章で構成され各章ごとに句会が中心となり、物語が展開します。
3人の女性と暮愁先生の他に白山で写真館主の穂邨、
神田の古書店主南海魚、三井合名社員の政雄、
下谷の筆職人銀渓、途中で紛れ込み波瀾を起こす浅草橋の人形店主傳助
みんな俳句好きで個性的。

登場人物たちが句会で俳句を作りだす様子、心の動きなどが手に取るように
描かれていて、自分もその句会に参加している気分になります。
俳句の季語についての説明や句会の進め方なども物語の筋の中で
上手く説明されています。

女性陣の脇を固める小父さま方が句会にて博識を披露したり、
駄洒落を言ってみたりと楽しいです。
また、それぞれの人物が詠む句がその人らしく個性的で
読者の自分はどの方が詠んだ句が好きかしらなどと
楽しむことも出来ます。

俳句と昭和初期そして若い女性たちとその3つのハーモニーが
モダンな印象を醸し出しています。
著者の三田完氏の祖母は女流俳句の長谷川かな女、母は長谷川秋子
著者自身も現代俳句協会会員だそうです。

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