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『樹影譚』 丸谷才一著  文春文庫 - 2012.11.20 Tue

写真は静止した画像であるが
止まることなく動く現象を
ある瞬間の時間、そこに止めて
写真という空間に写しだす。
その時に見えた世界、感情を含め
写真家は時間の経過、
流れている時の歴史までもを
写しだすことができたりする。
文字としての言葉は書かれていないが
眼に見える光の言葉として。

小説は読者が言葉を受け取り
想像のなかで物語の中の時間は動き出す。
作家は物語を綴る。
映像が眼に見えるように。

短篇集『樹影譚』の中の一篇「鈍感な青年」。

図書館の副館長の部屋。
図書館の館員3人が閲覧者の噂をしている。
毎日、閲覧室で並んで本を読む大学生の男女のこと。

場面はかわりそこは閲覧室。
娘が現れ彼の隣の椅子に腰かける。
このあたりまでは館員3人と読者のわたし4人で
ふたりの様子をこっそりさぐっている感じ。

その二人は昼食を食べコーヒーを飲み散歩をする。
小さな丘のベンチに腰かけ
そこで会話の場面が出てくる。
そこからはふたりをさぐる読者ではなく
彼女もしくは彼になった主人公として
物語は動き出すようになる。

そして最後のページの頃には
魔法がとけたように
二人を見つめる読者となる。

舞台を見ているように
時間の流れになめらかに
すべり込ませてくれる短篇。









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