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『詩と真実』 ちくま哲学の森 筑摩書房 - 2013.02.11 Mon

ちくま哲学の森はシリーズで全8巻出版されている。
この本は第5巻目にあたり
詩と真実と付けられている。
詩も、真実も
書かれている言葉を読むと余計に解からなくなる、
と思うのです。
匂いのようなものを感じ取るのが
良かったりするのかも。
言葉の手触りみたいなもの。
頭で理解しようとすると
離れていってしまうようなもの、
そんなものであったりするのかも。

この本には、感情に訴えかけてくる哲学、
そんな文章が編まれています。
ジャコメッティだったり、
寺田寅彦だったり、
円地文子だったり、
アランだったり
梶井基次郎だったりと
26人の方々の文章。

「詩と真実」の文集を作ります、
そんな目的でお願いしたら、
この方々ならこのように書かれるであろうと。
そんな文章が読めるのです。

その中の一つ。
『間』昭和54年発表
武智鉄二著 大正1~昭和63

間は魔である、
六代目菊五郎の口伝として聞き知っている
と述べられている。
菊五郎は著書『芸』のなかに
彼の師である九代目団十郎の言として、

「踊の間と云うものに二種ある。
教えられる間と教えられない間。
取分け大切なのは教えられない方の間だけれど、
これは天性持って生まれて来るものだ。
教えて出来る間は
間と云う字を書く。
教えても出来ない間は
魔の字を書く。
私は教えて出来る方の間を教えるから、
それから先きの教えようのない魔の方は、
自分の力で索り当てる事が肝腎だ。」

教えられない、とは困る
そこで現代人の意欲が間の研究へと人々を走らせる
らしい。
しかし、
解明できたと、人が信じたとき、
それはもう間ではなくなっているのではないか。
と述べる。
科学的な、または
近代論理の方法で、
掴めるような間は
もう魔ではないのではないか、と。

間ということばの先行概念としては、
建築における間(柱と柱の間)があることは確実で、
この語は源氏物語まで遡ることができる。
畳の寸法における京間、江戸間という用い方が、
間ということばを、
生活感覚に密着させたらしい。

『浄瑠璃秘曲妙』においての間拍子にも
触れられていて、
間と拍子は、足と手に分って考えられている。
対立概念なのである、と。
つまり、心、すなわち劇的葛藤、人間の精神、
その実存がなければ、間拍子は成り立たない。
この、人の心、
精神による時間の破砕・断絶が、
すなわち、間なのである、と。

きまることは歌舞伎の好む劇的効果である。
日本舞踊はきまることを目的に、踊られているように見える。
しかしきまるという間は、日本古来の伝統芸術に
存在したのか。
能がきまるということはない。
狂言も、きまるという所作はなかった。
何かの拍子でそうなると、
師から「いやでございますねえ」と叱られたらしい。
きまるということは、いやなことだったのである、と。

きまることへの反の理念として、間の理念が成立した。
間は、
エキゾチックなもの、
異風なもの、
淫声的なものへの、
民族文化伝統に立つ反省として成立した。
リズムに乗ったり、きまったりすることの
エキゾチジズムへの反省、
間の理念は、日本の芸のための、守らなければならない
最高倫理規定。
間は精神からの使者。
反面、観客の精神を悦楽から現実へひきもどすための使者。
間は様式性の壁をつきやぶる真実の通し矢。
真実を白日下にさらすがゆえに魔でもあった、と。

間は生理が精神の断面にくいこむ瞬間であり、
日本人だけがみつけだした第五次元の世界なのであった、と。


















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