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「ナジャ」  アンドレ・ブルトン著  白水Uブックス - 2012.06.10 Sun

ナジャとはナンジャ、アンドレとはダレ。

著者のアンドレ・ブルトンは『磁場』や『溶ける魚』という作品で
自動記述なる、
あらかじめ書くことを予定しないで書くという実験をし、
それはブルトンの詩に対する態度、文章に対する態度ばかりか、
生き方をも決定づけるものであったらしいのです。
それでは、わたくしもと
自動記述で感想を書いてみようと思いましたところ
上記の様な言葉となり、とんでもない事になりそうなので。
このあたりで失礼いたします。

ナジャの目とブルトンの目が、きらきらと光に映えている河の流れをのぞきこむ。
「ほらあの手、セーヌに映っているあの手、
どうしてあの手は水面で燃えているのかしら?
ほんとに、火と水とは同じものだわ。
でも、あの手にはどんな意味があるのかしら?
あなたはどう解釈する?いやよ、もっとあの手を見せて。
どうしてあなたはそんなに先へ行きたがるの?何が心配なの?
ああ、あたし病気なんかじゃないわ。それより、あなたにとって
どういう意味なの、火と水、水の上の火の手?(おどけた口調で)、
もちろん、お金になんかならないわ。水と火はおなじもの、
でも火と黄金は全然ちがうんだもの。」

真夜中のテュイルリー庭園にやってきて
ナジャとブルトンの前に噴水があり、
ナジャはその水の曲線じっと目で追っている。
「あれがあなたの考えとあたしの考えなのよ。
見て、二人の考えがいっしょにあそこから湧いてきて、
あそこまで噴きあがって、ほら、落ちてゆくときのほうが、
ずっときれいでしょ。それからすぐに溶け合って、
またおなじ勢いで引きあげられて、上まであがるとまた砕けて、
ほら落ちてゆく…こうやって、無限にくりかえされるのよ。」

彼女の発する言葉に強く惹きつけられるブルトン。

ナジャがブルトンの書いた本を読み、
そこに引用されている詩を読み感動をおぼえている様子をみる。
本の表紙の色の取り合わせが彼女を驚かせ魅惑する。
ブルトンはナジャが見るもの、発する言葉を通して
自分を知る手がかりにする。
自分の意識を超えたところでの「私」を知るために。

この本を読んでいるわたしたちも
しだいにナジャの言葉に、ナジャの見えるものから
目が離せなくなる。



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● COMMENT ●

ナジャ!
僕もレヴュー書きたいのですが、どうもまとめられず笑。
勉強になります。
みどりのほしさんは、切り口が鋭いというか。
キチッ、キチッとカットしていくのがすごいなぁ、と素直に感心してしまいます。

慧 さん、こんばんは。
ほめられてうれしいです(^^)。
わたし、きっと深くは読めてないなぁと思っているので
なるべく本のもっている雰囲気をこわさずにそのまま伝えたいなと思うと
こんな感じになったりしてしまいます。

こんにちは。

ひさびさにパソコンに復帰して、あちらこちらを読ませて頂いています。
(拙ブログへのご訪問と温かいお言葉をありがとうございました。)

そういえばブルトンについてはボーヴォワールが、
男性による女性観の典型例のひとつとして取り上げてましたね。
「女神のように崇拝するタイプ」とかいって(笑)。

『ナジャ』はまだ読んだ事ないですが、
そのうち読んでみたい本の一冊です(^^)。

舞狂小鬼 さま、パソコンに復帰されたんですね。
ホッとされてくつろいでる中、ご訪問頂きまして
お礼のお言葉まで、ありがとうございます。うれしいです(^^)。

ブルトンはナジャに惚れこんでしまったようですが、もともとブルトンは
熱しやすく冷めやすいタイプだったみたいです。
ブルトンは予測しえない緊迫感を美に求めているらしく、日常生活の平安や
退屈を切り裂く電撃性、光輝、魅力を美に求めている。
次々に新たな女性を通して美の体験を更新していくみたいです。
たしかに「女神のように崇拝するタイプ」みたいですね(笑)。
中公新書の『シュルレアリスム』を読んでもう少し勉強してみようと
思っているところです。

また舞狂小鬼さまのブログを拝読させていただきます(^^)/。


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ナジャとはナンジャ、アンドレとはダレ。著者のアンドレ・ブルトンは『磁場』や『溶ける魚』という作品で自動記述なる、あらかじめ書くことを予定しないで書くという実験をし、それ...

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