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「西洋音楽史」 岡田暁生 著 中公新書 - 2012.08.06 Mon

第六章にドビュッシーとラヴェルの名前が
登場してくる。

ベルエポックとか、
ユーゲントシュティールないしアールヌーヴォーとか、
世紀末ないし世紀転換期とか呼ばれる時代。
ワーグナーと二―チェが大流行し
耽美的な芸術潮流が全ヨーロッパ的に
花開いた時代とのこと。

1883年から1914年のわずか30年ばかりの
この時代は西洋音楽史の最後の輝きだった。
マーラーやシュトラウスやドビュッシーや
ラヴェルやサティやラフマニノフなどの主要作品の
ほとんどがこのわずか数十年の間に書かれた。

1914年から始まった第一次世界大戦は、
それこそが西洋音楽史を支えてきたもの、
その社会的文化的基盤を吹き飛ばしてしまった。
西洋音楽史を支えてきた教会と王侯貴族は、
すでにこれより約100年前に音楽史の表舞台から撤退していたが、
彼らの後を引き継いだ19世紀ヨーロッパのブルジョワ社会も
大戦をきっかけにほぼ消滅してしまったとのこと。

この時代になって初めて音楽史に登場してくる
最も鮮烈な潮流といえば、
何よりもフランス近代音楽。
19世紀フランスは、グランド・オペラと
サロン音楽の国であった。
フランスの音楽界が大きく変わったのは
1871年に国民音楽協会が設立されたことがきっかけ。
「フランスにもドイツに負けない正統的な器楽文化を創ろう」
という目的で作られた。

ドビュッシーやラヴェルの頃になると
ドイツ風の堅牢な形式を拒否し
フランス的な「軽さ」へ戻ろうとする動きが生まれる。

ドビュッシーやラヴェルがもつ
意識的に軽薄さや通俗性を気取る、
きわめて洗練された一種のスノビズム。
この点でドビュッシーとラヴェルの
とりわけピアノ曲は、
ショパンやリストからフォーレを経由して
伝えられたサロン音楽の延長上にあるといえるとのこと。

1889年のパリ万博で聴いたジャワや中国の音楽は
ドビュッシーに強い影響を与えた。
また若い頃のドビュッシーやラヴェルは
ロシア音楽に強く惹かれたし、
スペイン音楽も彼らを魅了した。
エキゾチズムの一種である。

異国文化への強い関心は19世紀フランス芸術の特徴である。
ドラクロアからルオーやゴーギャンの異国趣味、
浮世絵に対する印象派画家たちの強い関心。
音楽史でも19世紀フランスは、
ラロのスペイン交響曲、
サン=サーンスのアルジェリア組曲やアフリカ幻想曲や
ピアノ協奏曲第五番エジプト、
ビゼーのカルメンなど
エキゾチズムで溢れている。

ドビュッシーとラヴェルの曲、
この音楽の生まれた時代の景色を垣間見たように思えた。





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